お兄ちゃんは悪魔サマ
 


時は少し遡る―




私は昨日の事をちゃんと話したくて、悠哉先輩の教室に向かった。

教室の近くまで行くと、悠哉先輩の後ろ姿を発見!



近づいていくと、先輩は慌てた様子で何処かに向かってく。

私は何となく見つからないように、先輩の後をつけた。




着いたのは屋上だった。
こんな所になんの用だろ……?

屋上にはそんなに隠れる所もないし、私はソーッとドアを開けて様子を伺う。
先輩は給水タンクに近寄って行ってた。

……ええいっ、私も行っちゃお!


ゆっくりゆっくり近づくと、先輩は途中で止まった。私も先輩の視線の先が見える場所まで移動する。



私がそこで見たのは……






「きゃあぁぁぁぁっ!!」



その光景を見て思わず叫んでしまった……

そりゃびっくりするよ!
私がもう1人居るんだもん!!



「ゆ、ゆ、ゆ、唯?え?こっちに唯が居て、あっちにも唯が……!?」



私の声にこちらを振り向いた先輩も、完全にパニック状態。

するともう1人の私が話しかけてきた。




「お〜唯!コイツに一泡吹かせてやったぞ!!わはは」



お兄ちゃん(私?)の着衣が微妙に乱れてる……
あまり想像したくはないけど、何があったのかは何となく解る。




「ってか、人の体使って何してんのよぉぉ!!」


Σバッキィーン
「がはぁっ」



手加減なしで鳩尾に拳一発。お兄ちゃんは吹っ飛びました。




「ぐ……酷い!体は男だ!!」



そう言って置き上がると、こちらに戻って来て胸元をバサッと広げるお兄ちゃん……




「気持ち悪いわ!変態っ!!!」


Σドッカーン
「ぐおぉっ」




またまた先程と同じ箇所にミドルキック決めて、お兄ちゃんは夢の(悪夢?)中。



 
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