お兄ちゃんは悪魔ｻﾏ

「うぅ……今のはちょっときいたぞ……」



そう言っ、て腹部を押さえるお兄ちゃん。

自業自得っ!!




「それより、タオルか何かで隠すくらいしてよっ！」

「今さら気にするな。それにお湯に浸かれば見えなくなる」




そう言ってお兄ちゃんは躊躇いもせず、お湯にザバッと浸かった。

少し広めとは言え大人2人が入ると若干、窮屈さを感じる。


お兄ちゃんはそんな事はお構い無しに、抱きつこうとしてくる。




「ちょっとお兄ちゃんってば、狭いから!!もぉ～！」

「狭い方が唯にくっつきやすい」

「そーゆー問題じゃなくて……」



と、こんなやり取りをしていると、突然ガラガラっと脱衣場のドアが開く音が……




「っ……!?」

「唯ちゃん～さっきから何や騒がしいみたいじゃけど、大丈夫かいねぇ？」

「お、おばあちゃん!?」




脱衣場とお風呂場の間にあるすりガラスのドアに、おばあちゃんの影が近づく。

咄嗟に私はお兄ちゃんの頭を湯船に押し込んだ。


お兄ちゃんごめん！ちょっとだけ我慢っ!!




「唯ちゃん？」

「あ、おばあちゃんごめんね。何かちょっと1人で騒いじゃって」

「ならええんじゃけどの」



おばあちゃんは私を見て安心したのか、深く追及される事はなかった。





「はぁ……びっくりしたぁ」