お兄ちゃんは悪魔サマ
「……大丈夫だよ。辛いのは私だけじゃない。怖いのは私だけじゃない。お兄ちゃんもでしょ?」
「俺は最初から解っててこの道を選んだ。だから怖いとか言ってる暇はない」
「私も同じだよ。私も私が決めた信念にそって行動してるだけ。泣いてなんかいられない」
昔から、こうと決めた事は決して諦めなかったお兄ちゃん。
そんなお兄ちゃんを側で見て育って来た私……
「似た者同士……か。やっぱり兄妹だな」
「うん。兄妹って繋がりは、お兄ちゃんを好きになるにつれて足枷みたいに感じる事もあった。でも、お兄ちゃんが唯のお兄ちゃんで良かった!」
「俺も……」
少し見つめ合った私達は、自然と顔を寄せて触れるだけのキスをした……
次第にそれは深くなり、お兄ちゃんが私の舌を吸うように引き寄せて絡める。
その感覚に酔いしれていると、だんだんと頭がボーッとしてきた。
もしかしてのぼせた?
なんて考えが浮かんだ辺りで、私は意識を手放した……