お兄ちゃんは悪魔サマ
*存在意義*
・*陵side*・
俺の体に密着する愛しい唯を、これでもかと言う程に抱きしめる。
生きてた頃はろくな毎日を送ってなかった俺に、よくブツブツと小言を言ってたな。
正直、妹なんてうざいと思ってた時期も確かにあった。
でもいざとなると、こんなにも大切な存在だったのだと気付かされた。
でもな……唯への気持ちに気づいたのが、こうなってからで良かったと思う。
決して切り離す事の出来ない兄妹と言う関係。
唯の幸せの為には、俺は居ない方がいい……
だからこそ、唯を助ける事が出来てそれによって俺が消えるのなら……好都合だと思った。
思っていた……
答えるつもりはなかった唯への気持ちを受け止めた時から、少しずつ俺は唯への執着心が芽生えた。
だから、魔界にいく事を決意したのかもしれない。
ただ、何も見つからなくてやはりどちらかしか助からないと言うのなら、俺は喜んで自分の魂を……存在を差し出す。
小さな体で俺を守ろうと、必死になってくれてる唯。
絶対……絶対に守る……!