お兄ちゃんは悪魔サマ
イグルスと呼ばれた悪魔さんは、ため息をついて話し出した。
「陵……あなたはこちらに来てから必要最低限しかエネルギー補給をしていませんね?」
「…………」
「エネルギー?必要最低限って、どういう事……?」
何も答えないお兄ちゃんに代わり、疑問に思った事を聞いてみる。
「人間も生きる為には食事をとるでしょう?それと同じで、行動したり魔力を使うのには相応のエネルギーが必要です」
「ちょっと待って。必要最低限しか取ってないって言ってましたよね?もし、エネルギーがなくなってしまったら……?」
「魔力がなくなると動けなくなり、そこで悪魔契約は強制終了です」
そんな……
でも、悪夢のエネルギー補給ってどうするんだろ……?
お兄ちゃんは何故補給をしないんだろ……?
そんな疑問が湧いてきて、お兄ちゃんを見つめる。
「イグルス、余計な事ペラペラ喋っていーのかよ」
「乗りかかった何とやら……ですよ。陵の唯さんに対する想いは、理解しているつもりですから」
「あのっ!イグルス……さん。エネルギー補給ってどうするんですか?お兄ちゃんにそれをさせるには、どうすればいいんですか?」
悪魔になってもダメダメでワケ解んないお兄ちゃんだけど、私の為に何かをしてくれようとしてるのは解った。
だから私もお兄ちゃんの助けになりたい。
自然とそう思えた。