お兄ちゃんは悪魔サマ
魔王というヤツは権力だとか影響力だとか、そういったものはどうでもいいと考えていた。
魔王にしてみれば、神もまたどうでもいい存在だったという事だ。
ただ、魔王には生まれた時から持つ、作られた【悪】の心とでもいうのだろうか……
まさに他人の不幸が蜜の味。
そう…………
悪魔とは、魔王が楽しむ為だけに生み出された存在。
ではハンターの存在とは?
一見、神側が悪魔を捕まえる為にハンターを生み出したかのように思える。
しかし……ハンターもまた魔王の意思で作られた存在。
これはハンターである本人達も知らない事実………
やはり大抵の悪魔は、助けたい人物や信用できる人物に接触を試みるらしい。
そして自分の存在を賭けて、必死に助けようとする。
ではその者たちの結末は……?
ハンターに捕まって、助けたい人を助けられずに消えゆく悪魔。
願いが叶ったとて、やはり消えなければならない悪魔。
そして……叶わなければ、目の前で愛する者が逝ってしまう……
大切な人を2度失う事になる、生きている人間。
唯のように自分が犠牲にと悩む者も、少なくはないようだ。
それは時に恋人――
時に妻や夫――
時に父や母――
時に子供や孫――
愛する者を助けたいという、純粋な気持ちを踏み躙る事。
それがハンターに課せられた本当の使命――