お兄ちゃんは悪魔サマ
「天使……今度はお兄ちゃん天使になっちゃったのか……。忙しいお兄ちゃんだなぁ」
私は手紙を胸に抱き締めた。
もう枯れたと思ってた涙がまた頬を伝うけれど、気にしない。
だって、今日で終わりにしなきゃいけないから。お兄ちゃんの事で泣くのは……
それなら、今日だけは泣きたいだけ泣いてもいいんだよね……?
泣くだけ泣いたら、ちゃんと前を向いて歩くから……
視界が涙で霞む中、白い羽をもう一度手に取ってみる。
「天使の羽なのかな……?真っ白できれい……」
その日の夜は、手紙と羽を抱き締めたまま眠りについた。
次の日の朝、私はそれらを大事に机の中にしまった。
そして、またいつものように学校に出かけて行く。昨夜は顔を冷やさないまま寝ちゃったから、みんな驚いて心配してくれた。
もちろん本当の事なんて言えなかったけど、嬉しかったよ。
でもね、お兄ちゃんの事は当分忘れられそうにありません。
だって、命がけで守りたいと思える程に愛した人だもん……
だから、もう少しだけ好きでいさせてね……