お兄ちゃんは悪魔サマ
起き上がったお兄ちゃんを見上げてみる。
どこからどう見てもお兄ちゃん。
でも、確かにお兄ちゃんは死んだ。
ちゃんと火葬して骨も拾った……
「ホントにお兄ちゃん?」
「当たり前だ」
「ホントにホントに?」
「だからここにいるだろ」
「ホントにホントにホントに?」
「あ~!もう、やかましいっ!!」
少しきつい口調になったお兄ちゃんに、ムッとした私は攻撃開始。
女の子がお得意の涙目攻撃。
少女漫画的に効果音のつけるとしたらウルウル……かな。
「お兄ちゃん……酷い」
「う"っ……」
潤んだ目で見上げてみる。
お兄ちゃんは一瞬怯んだ。
もう一押し。ウルウル。
「ぐぐっ……」
トドメ。
「お兄ちゃんのバカぁ……」←涙声
「唯っお兄ちゃんが悪かった!怒鳴ってごめんな!」
私の勝ち!
そーです。お兄ちゃんは唯に甘々なの。
死んでもそれは変わらないらしい。
「でも何でお兄ちゃんがここに?死んじゃったんでしょ?」
「聞いて驚け!実はお兄ちゃんな…………悪魔になっちまった!!」