お兄ちゃんは悪魔サマ
 


「先輩のせい……?」

「……うん」



あれ?心なしか尚哉くんの顔が赤い……?




「どういう事……かな?詳しく聞いてもいい?」

「……兄貴ってさ、普段は人当たりが良くて生徒会に居たりとか、世渡り上手っつーの?んな感じじゃん。でもあんたの前じゃ違ってただろ?」

「……最初はそんな事なかったんだ。むしろ先輩を好きになって、近づいてったのは私の方だったの」

「でも、あんたは兄貴より大切なもんが出来た」





私は少し間をおいて頷く。お兄ちゃんとの事をどこまで話していいのかは解らなかった。

でも、尚哉くんは隠さず話してくれてると思うから……




「兄貴さ、根はまだまだガキなんだよ。自分の思い通りに事が運ばないと、いっつも周りにあたってさ。……っつっても矛先は殆ど俺だけど」



な、なんか尚哉くん大人だ……




「兄貴さ、今は頭に血がのぼって冷静さ失ってんじゃん。あんたの事も好きだからとかじゃなくて、ただ玩具に執着するガキと同じ……何か見てらんなくってさ」

「……先輩の事、大好きなんだね」


「あっ、や……好きっつーか……。まぁ、あんなでも兄貴だし」




尚哉くんは耳まで真っ赤になってて、純粋に可愛いと思った。

こんな弟だったら、欲しかったかも!



 
< 68 / 288 >

この作品をシェア

pagetop