お兄ちゃんは悪魔サマ
「先輩のせい……?」
「……うん」
あれ?心なしか尚哉くんの顔が赤い……?
「どういう事……かな?詳しく聞いてもいい?」
「……兄貴ってさ、普段は人当たりが良くて生徒会に居たりとか、世渡り上手っつーの?んな感じじゃん。でもあんたの前じゃ違ってただろ?」
「……最初はそんな事なかったんだ。むしろ先輩を好きになって、近づいてったのは私の方だったの」
「でも、あんたは兄貴より大切なもんが出来た」
私は少し間をおいて頷く。お兄ちゃんとの事をどこまで話していいのかは解らなかった。
でも、尚哉くんは隠さず話してくれてると思うから……
「兄貴さ、根はまだまだガキなんだよ。自分の思い通りに事が運ばないと、いっつも周りにあたってさ。……っつっても矛先は殆ど俺だけど」
な、なんか尚哉くん大人だ……
「兄貴さ、今は頭に血がのぼって冷静さ失ってんじゃん。あんたの事も好きだからとかじゃなくて、ただ玩具に執着するガキと同じ……何か見てらんなくってさ」
「……先輩の事、大好きなんだね」
「あっ、や……好きっつーか……。まぁ、あんなでも兄貴だし」
尚哉くんは耳まで真っ赤になってて、純粋に可愛いと思った。
こんな弟だったら、欲しかったかも!