お兄ちゃんは悪魔サマ
あの後、お兄ちゃんは私を家まで連れて帰ってくれた。
けれど、終始無言のままで気まずかった……
家に着いた後お兄ちゃんにありがとって言ったけど、素っ気なく「別に」って返されただけ。
「はぁぁぁ……」
椅子に座り机に突っ伏したまま、大きなため息をつく。
せっかく尚哉くんと言う心強い友達が出来て、全てがいい方向に向かいそうな気がしてたのに……
机に置いた携帯からメールの着信音が聞こえ、携帯を手に取り受信フォルダを開く。
あれ……?
未登録のアドレスからだ……
【やほー。兄貴にアドレス聞いた(無理矢理w)からメールしてみた。あれからちゃんと帰れた?置いてっちゃってごめん!帰ってから気がついてさ。ホントごめんな】
名前がない……。けど内容からして、間違いなく尚哉くんだよね。
私は早速メールを返す。
【尚哉くんかな?私はちゃんと帰れたから大丈夫だよ!心配してくれてありがとう。それより、先輩はどんな様子?】
直ぐに返事は返って来た。
【げっ、名前忘れてた。俺ってば間抜けw兄貴にはしっかり言い聞かせといたから大丈夫!!もしまた何か言われたら俺に言えよ】
ふふっ、やっぱり良い子だなぁ……何か温かくって素直で。
私ももっとお兄ちゃんに素直になれれば、何か変わるかな……?