お兄ちゃんは悪魔サマ
次の日の放課後、私は少し先輩と話しをした。
脅すような真似をして悪かったって事。
それから唯の事は執着心とかだけじゃなく、ちゃんと好きだって事……
私は何て答えたらいいか迷って、言葉を詰まらせた。
先輩は私を諦めるつもりはないって……
そしてお兄ちゃんは悪魔で、私と幸せになれる未来はないから……とも言われた。
いくら自分に言い聞かせてた事でも、他人からはっきり言われると、やっぱりショックだった……
落ち込んだまま帰宅すると、珍しくお母さんが帰ってた。
両親は元々共働きで、お兄ちゃんが居なくなってからのお母さんは、気を紛らわすように更に仕事に打ち込んでた。
お父さんは昔からずっと帰宅は遅くて、顔を合わせない日が殆どだった。
「お母さん、今日は早いね」
そう声をかけたけど、お母さんはどこか上の空。
「お母さん?お母さん!どうしたの?」
更に声をかけると、お母さんはハッとしたように私を見た。
「あ、あぁ。唯、お帰りなさい」
そう笑うお母さんは元気がなかった……
どうしたんだろう……?
「ねぇ唯…………お母さん、ここを出て行こうと思ってるの……」
少しの沈黙を破って出てきた言葉に、私はただ茫然とした……