お兄ちゃんは悪魔サマ
「やっぱ、俺のせいみたいなもんだよな……」
部屋に戻るとお兄ちゃんはポケットから降りてベッドに上ると、ポツリとそう呟いた。
「違うよ……きっとお兄ちゃんが生きてても同じ。いつかは離婚してた気がする」
「……そうかなぁ」
「そうだよ……」
少し重たい沈黙の時が流れる。
その沈黙を破ったのは、お兄ちゃんだった。
「なぁ……今日、一緒に寝てもいいか……?」
「えっ!?」
こんな状況でお兄ちゃんが急にそんな事を言うもんだから、私の心臓はドキドキ鼓動が早くなる。
「いいか……?」
お兄ちゃん(ハムスター型)に見つめられて、顔が熱くなるのを感じながら頷く。
ハタからみると、ちょっと……いや、すご~く変かも……
「サンキュ。ちょっと変身しちまうな」
そう言ってお兄ちゃんは……
猫になった……
「な、何で猫……?」
「猫が一番楽なんだよな。イグルスや他の悪魔も猫の姿の事が多いぜ」
「ふぅ~ん」
そうなんだ。
ちょっと……
「ガッカリしたか?」
「えっ!?な、んな事ないもんっ」
焦る私を見て、お兄ちゃんは笑ってるみたい。
絶対遊ばれてる……
私はお兄ちゃんに歩み寄ると、お兄ちゃんを抱き上げた。
そしてベッドに横たわると、抱き枕みたいにお兄ちゃんを抱き締める。
「ゆゆ、唯…む、胸が当たる…」
「猫なんだしいいでしょ?お休みなさい!」
私はお兄ちゃん(猫)の温もりを感じながら眠りについた。
お兄ちゃんは落ち着かない様子でもぞもぞしてたけど。
お兄ちゃんが、ちゃんと寝れたかどうかは知らない!