お兄ちゃんは悪魔サマ
朝、目が覚めるとお兄ちゃんに抱き締められていた。
感じる温もりが心地良くて少し微睡む。
あれ……?
昨夜は猫のお兄ちゃんを抱き締めて寝たような……
目を開くと人型に戻ったお兄ちゃんがいた。
どうやら何も身につけてないっぽい……
「お兄ちゃん!お兄ちゃん!!」
しっかり抱きつかれていて身動きの取れない私は、体を捩りつつ声でお兄ちゃんを起こそうと試みる。
「……zzZ」
「お兄ちゃん!!」
「んん…………zzZ」
「……お兄ちゃん、ハゲてる」
お兄ちゃんはその言葉に反応し、ガバッと起きた。
「ハ、ハ、ハゲっ!!?」
お兄ちゃんは一糸纏わぬ姿で私の目の前に……
「イヤァァァァァッ!!!!」
Σバッチィーン
「うぐぉっ」
あ……また……以下略。
「唯ぃ……いきなり何する……うぅ」
「お兄ちゃんが悪い!」
「は?何が悪いんだよ?」
「いーから服着て……」
「服?…………Σうぉっ」
お兄ちゃんはようやく自分が素っ裸である事に気づいたらしい。
あーあ……明るい所でもろに見ちゃったよ……
でも、朝からドタバタしたせいで、昨日の事を余り考えなくて済んだのは、ちょっと感謝、かな……