お兄ちゃんは悪魔サマ
少しすると、その女の人は軽くため息をついて去って行った。
尚哉くんは1人で何を買って来ただの、俺はこれがいいなどはしゃいでいた。
お兄ちゃんと先輩には何とも言えない雰囲気が漂っている。
「あのさ、俺今日はもう帰るよ。唯、ごめんな」
「はっ?兄貴帰んの?せっかく飯買って来たのに……ってか 何で?」
「ちょっと気分が優れないだけだ」
そう言って先輩はこちらに背を向けると、近くに居たお兄ちゃんに何か耳打ちしていた。
私には何を言ってるかは聞こえなかったけど……
「兄貴大丈夫かなぁ?」
「……きっと帰って休めば元気になるよ」
「そっか、そうだよな。んじゃ食うか!」
そう言うと尚哉くんは買ってきたものをいそいそと並べ始めた。
たくさんの袋の中からこれでもかというくらい、次から次へといろいろな種類の食べ物が出て来る。
「………これ全部食べるの?」
「いや~いろんなの見てたらあれもこれも食いたくなってさ、つい買っちまった。まぁ何とかなるだろ!陵~お前もこっち来て食べろよ」
尚哉くんの呼びかけに、お兄ちゃんはこちらに少し近づく。
「俺は食事いらねーから。少し散歩してくる。小一時間程度で戻るよ」
そう言い残していなくなってしまった……