お兄ちゃんは悪魔サマ
 


尚哉くんの言葉を考えながら、買って来て貰ったお昼を少しだけ口にした。

尚哉くんは、何とあれだけあった食べ物をほとんど1人で平らげてしまった……




「尚哉くん大丈夫……?」

「あ〜ちょっと食い過ぎたかも」



ちょっと……?あれでちょっと!?軽く5〜6人前はあったような……

尚哉くんって実は大食漢だったんだ……意外。




食べ終わって少しのんびりしてると、お兄ちゃんが帰ってきた。




「ちゃんと食べたか?」



そう言って近寄って来たお兄ちゃんから、フワッと甘い香りが漂ってきた。

甘ったるい香水の匂い……



私達がご飯を食べてた時、お兄ちゃんもまた悪魔としての食事=エネルギー補給をしていたんだ……




「別にお兄ちゃんには関係ないでしょ」

「唯……」



隣で尚哉くんはわざとらしくため息をついてる。

やっぱり素直になるとか、気持ちをぶつけるって難しいよ……






「んじゃ、アトラクションの続きといこうぜ!!」



微妙な空気を吹き飛ばすかのように、尚哉くんが声をあげる。




「お前元気だな……さすがガキ」

「ジェットコースターも乗れないおっさんが、何ぬかしてんだか」

「何をっ……!?」

「あ〜、あんまりカリカリしてっとハゲるよぉ?」

「ぐっ……」







この2人って……案外いいコンビだったりする?



 
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