お兄ちゃんは悪魔サマ
「えー……食後すぐにココ?」
「いーじゃん!!こういうの大好きなんだよなぁ」
尚哉くんがワクワクした目で見つめる先にあるのは……
そうです。定番のアレです。
カップルで仲良く手なんか繋いじゃったりなんかして、キャー怖〜い!なんて彼氏に抱きついてみたりなんかする所です。
「あぁ〜俺パス」
そう言い出したのはお兄ちゃん。私は理由を知っている。
「はっ!?何言ってんだよ!遊園地と言えばお化け屋敷だろ」
「こんなんガキが遊ぶ所だ」
「ははぁ〜ん……もしかして、怖い……とか?」
「バッ、んな訳あるか!!子供騙しだろ、こんなモン」
そう言いながら微かに手が震えてるように見えるのは、私の目の錯覚でしょうか?
じゃないよね。
お兄ちゃんが苦手なのは知ってるけど、ちょっと情けない……
「わぁ〜ったよ!!行きゃあいいんだろ!!」
尚哉くんに丸め込まれたのか、お兄ちゃんは行くらしい。
私達は列の最後尾に並ぶ。
「実は久しぶりなんだよな!ココのお化け屋敷は結構怖いって有名だし」
尚哉くんは目をキラキラさせて、まだかまだかと先を気にしてる。
お兄ちゃんはソワソワ落ち着かない様子。
そして、あと二組で自分たちの番になった時だった。
「やべ……お腹痛くなってきた。う……ちょっと無理そう。トイレ行ってくるから2人で先に入ってて!!」
そう言って、尚哉くんはピューッと何処かに消えてしまった……
これはつまり……
お兄ちゃんと2人で入るの……?