ぼくらの事情
毎日通い詰めていた生徒会室も、今や絆にとって縁の無い場所となっていた。
元々そうだったはず。
あそこで勉強会という名のお茶会をしていた日々が、非日常。
そして、見ず知らずだった響生たちと過ごした騒がしい毎日も非日常だったんだ。
そう自分に言い聞かせ、絆は生徒会室に背を向けた。
「ご機嫌よう絆嬢」
「っ!?」
振り返った絆の真後ろ三十センチのところにはいつの間にか、久しぶりに見る胡散臭い笑顔が立っていた。