ぼくらの事情
「明日ここちゃんに確認しよっ! 話はそれからっ」
誰より張り切っている咲奈は鼻息荒く響生に詰め寄って、大丈夫と言わんばかりに親指を立てて見せる。
出来ればそっとしといて欲しい……なんて、コイツらに言うだけ無駄だ。
「まぁ、どうせ絆嬢には嫌われてるし、当たって砕けろっ」
「そうそう。そん時は、朝までカラオケでもなんでも付き合ったげるよっ」
あくまで失恋決定の方向で話を進めていく友達甲斐の無い奴らに、響生は大きな溜め息をついて背中を向けた。