影を往く者、闇に逝く者-戦国隠密伝-
体勢を崩した甲斐様の腹に、初代は裏拳を叩き込む!

金属の手甲をつけた拳での一撃!

「がはっ!」

甲斐様の体がくの字に折れた。

ただでさえ鍛え抜かれた上忍の骨法術。

それに金属製の手甲の重さと強度が加わる。

威力は想像に難くない。

初代は怯んだ甲斐様に対し、連続攻撃を加える。

拳で顔面を殴打し、掌底で顎を打ち上げ、甲斐様の左腕を掴んで関節技に極め、仰向けに倒す!

その上で頭を踏みつけようとする!

「くっ!」

甲斐様は咄嗟に地面を転がって踏み付けを回避。

そのまま初代との間合いをとる。

「どうした」

構えを取り、初代がほくそ笑む。

「武田信玄を屠るのは、その程度の実力で十分だったのか?」

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