影を往く者、闇に逝く者-戦国隠密伝-
強い。

手甲をつけているとはいえ、あの甲斐様を赤子の如くあしらう初代は、流石伊賀十人衆と言わざるを得なかった。

甲斐様ほどの中忍が、攻めあぐねている。

遠間でも近接でも、初代の隙を見つける事ができない。

「来ぬのならば引き続き俺の番だな」

「!」

すかさず初代が間合いを詰めてくる!

後の先をとる形で刺突を放つ甲斐様。

しかし初代は。

「うっ!?」

足元の土や枯れ葉を蹴り上げ、甲斐様の顔に浴びせかけた!

目眩まし。

一瞬甲斐様の動きが鈍る。

そこへ。

「未熟!」

初代の浴びせ蹴りが直撃する!

頬を蹴り上げられ、転倒する甲斐様。

倒れた彼に対し、初代は容赦なく目突きを放つ!

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