影を往く者、闇に逝く者-戦国隠密伝-
だがこれで俺も百合も体勢が崩れた。

そこへ甲賀の波状攻撃。

左右から鎖分銅が放たれる!

「くっ!」

俺は右手、百合は左手。

どちらも得物を握っている手を鎖に絡めとられた。

鎖を引き、腕の自由を奪う甲賀隠密。

そうしている間に、他の隠密達もジリジリと近づいてくる。

数が多い。

しかも得物を封じられた。

このままでは敗北は確実。

ならば。

俺は残った左手を懐に入れる。

そこから取り出した小さな玉を、地面に思い切り叩きつける!

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