影を往く者、闇に逝く者-戦国隠密伝-

百合

現在修繕のすすめられている丸山城を落とす。

その任務の為に甲斐様に招集されたのは、私を含めた五人の下忍だった。

勿論この五人だけではなく、他の隠密も各々別の小頭の下に召集されている。

それぞれ部隊編成され、任務に応じた行動をとる。

通常隠密は単独行動が多いのだが、任務によっては今回のように部隊で遂行する事も珍しくなかった。

今回の任務の中で、女忍者…いわゆる『くのいち』は私だけだ。

一般に『くノ一』と表記され、『女』という字を分解すると『く』と『ノ』と『一』に分けられる事が語源とされている。

正しくは『九ノ一』と書くとも言われる。

人体には目、鼻、口、耳、へそ、肛門の九つの穴がある。

女性は女性器があり、もう一つ多いことから、九ノ一と呼ばれたという説もある。



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