影を往く者、闇に逝く者-戦国隠密伝-
忍。

鎌倉時代から江戸時代の日本で、大名や領主に仕え諜報活動や暗殺を仕事としていたとされる、個人ないし集団の名称。

私達は後の世にそう語られる存在。

領主に仕えての隠密行動を主体とする集団。

武士や足軽といった身分の集団とはまた別の立場にあった。

様々な流派を持つ忍、隠密にあって、私が属するのは『伊賀流』と呼ばれる流派。

伊賀(現在の三重県伊賀市)は古琵琶湖層に由来する粘土質の土壌の為、農耕に苦労する土地柄であった。

特に、渇水になると深いヒビが入り水田は壊滅的打撃を受ける。

その為、伊賀の者は傭兵として各地に出稼ぎをするようになった。

それが伊賀忍者の発祥。

やがて日本国内のみならず、世界中にその名を知られる事になる、忍としての伊賀流の始まりだった。



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