COLORS【紫】パープルA
「その向日葵は今どこに?」
咄嗟に私はその行方が気になっていた。
「出窓のところに置いてあります」
言われて見た先には朝の光を受けて咲く鉢植え用のミニヒマワり。
偶然かもしれないがあの時と同じ青色の植木鉢。
そして――、
一枚の『写真』。
「この方は?」
廉がヒマワリの側に置いてあった写真立てを手に取る。
「二つ年上の兄です。血は繋がっていないんですけどね」
小さい頃の写真だろうか。背景には向日葵畑が広がっている。
そして笑顔の北沢さんと……。
「お兄さん?」
「はい、正確には私が兄のように慕っていたと言った方が正しいかもしれません。時々思うんですよ、あの頃に戻りたい、お兄ちゃんに会いたいって……」
「今はその方はどうしているのですか?」
「私にも分かりません。この写真を撮ってからすぐにお互い別の方のところへ養子として行くことになったので」
「名前は?その方の名前、教えて頂けますか?」
「美並哲哉(みなみてつや)」
もしかしたら、あの時私がコンビニで見たあの人は。
「その方にとってもヒマワリは忘れられない花のようですね」
彼もまたまた私と同じことを思っているみたいだ。
「えっ……?」
だいたいこの手の贈り物には、
『盗聴器』が仕込まれているということもね。
私はそっと植木鉢の底の裏側を確認する。
指先でつまめるほどの小さなもの。
「真帆さん、ストーカーの正体分かりましたよ」
間違いない。
昨日のあの青年は美並哲哉だ。
咄嗟に私はその行方が気になっていた。
「出窓のところに置いてあります」
言われて見た先には朝の光を受けて咲く鉢植え用のミニヒマワり。
偶然かもしれないがあの時と同じ青色の植木鉢。
そして――、
一枚の『写真』。
「この方は?」
廉がヒマワリの側に置いてあった写真立てを手に取る。
「二つ年上の兄です。血は繋がっていないんですけどね」
小さい頃の写真だろうか。背景には向日葵畑が広がっている。
そして笑顔の北沢さんと……。
「お兄さん?」
「はい、正確には私が兄のように慕っていたと言った方が正しいかもしれません。時々思うんですよ、あの頃に戻りたい、お兄ちゃんに会いたいって……」
「今はその方はどうしているのですか?」
「私にも分かりません。この写真を撮ってからすぐにお互い別の方のところへ養子として行くことになったので」
「名前は?その方の名前、教えて頂けますか?」
「美並哲哉(みなみてつや)」
もしかしたら、あの時私がコンビニで見たあの人は。
「その方にとってもヒマワリは忘れられない花のようですね」
彼もまたまた私と同じことを思っているみたいだ。
「えっ……?」
だいたいこの手の贈り物には、
『盗聴器』が仕込まれているということもね。
私はそっと植木鉢の底の裏側を確認する。
指先でつまめるほどの小さなもの。
「真帆さん、ストーカーの正体分かりましたよ」
間違いない。
昨日のあの青年は美並哲哉だ。