COLORS【紫】パープルA
本日は臨時休業なり
「真帆さんの気持ちも知らないで勝手こと言わないでよ!」
「彼女は……忘れてないぜ。ヒマワリのこともお前のことも」
「じゃあ、どうして!」
「あれくらい有名人になるとな、周りが黙っちゃいないんだよ。過去のことはもちろんお前と会うだけでも週刊誌の一面を飾っちまう。それに過去のことが露わになればそれをネタに、華やかな芸能界から引きずり下ろそうとするヤツもいないとは言えねぇしな。彼女はそういう身分ということだ」
廉は目の前のアイスコーヒーを静かに飲んだ。
もちろんブラックのまま。
「彼女言ってたわよ。『お兄ちゃんに会いたい、あの頃に戻りたい』って。それに彼女は過去のことを汚点だなんて思ってないわ。世間を混乱させないためにも封印しているだけ。いや……封印しなきゃいけないのよ」
先月の彼女の誕生日から一ヶ月間、そんな幼少の頃の約束を果たすために……か。
きっと彼も分かっていたのに自分の中で今の彼女が受け入れられず、少しでも気付いてほしくてストーカーまがいなことをしていた。
理由としては十分かもしれない。
「……真帆に伝えてくれ。俺はもう二度とお前の前に現れない。約束は忘れてくれ……と」
「ばっかじゃないの!!そんなことは自分の口から伝えなさいよ!!」
「えっ?」
「本来ならここで『パープルA』の任務は終了なんだけどな」
このままじゃ終われないわよね。やっぱ……。
「当然!!約束は必ず守るのよ!!」
そのためにあるんだから!!
私たちは美並さんを連れ出し例の場所へと向かった。
「彼女は……忘れてないぜ。ヒマワリのこともお前のことも」
「じゃあ、どうして!」
「あれくらい有名人になるとな、周りが黙っちゃいないんだよ。過去のことはもちろんお前と会うだけでも週刊誌の一面を飾っちまう。それに過去のことが露わになればそれをネタに、華やかな芸能界から引きずり下ろそうとするヤツもいないとは言えねぇしな。彼女はそういう身分ということだ」
廉は目の前のアイスコーヒーを静かに飲んだ。
もちろんブラックのまま。
「彼女言ってたわよ。『お兄ちゃんに会いたい、あの頃に戻りたい』って。それに彼女は過去のことを汚点だなんて思ってないわ。世間を混乱させないためにも封印しているだけ。いや……封印しなきゃいけないのよ」
先月の彼女の誕生日から一ヶ月間、そんな幼少の頃の約束を果たすために……か。
きっと彼も分かっていたのに自分の中で今の彼女が受け入れられず、少しでも気付いてほしくてストーカーまがいなことをしていた。
理由としては十分かもしれない。
「……真帆に伝えてくれ。俺はもう二度とお前の前に現れない。約束は忘れてくれ……と」
「ばっかじゃないの!!そんなことは自分の口から伝えなさいよ!!」
「えっ?」
「本来ならここで『パープルA』の任務は終了なんだけどな」
このままじゃ終われないわよね。やっぱ……。
「当然!!約束は必ず守るのよ!!」
そのためにあるんだから!!
私たちは美並さんを連れ出し例の場所へと向かった。