COLORS【紫】パープルA
『都合によりお休みさせて頂きます』

店の前の張り紙。
私たちは『パープルA』に戻ってきた。
都合は『都合』なのであしからず。(笑)


車から降りると廉は家の扉を開けた。
二日間閉め切っていたせいか暖められた空気が重く感じる。
それに抵抗すべく私は部屋に入ると全ての窓を開け放ってやった。

「しかしお前がビンタするとはな」
リビングのソファーに座ると廉が言った。

「あ……あれね。熱くなちゃってつい」
冷蔵庫から麦茶を取り出すとコップに注いだ。

「でもまぁ、お前があの時叩いてなかったら俺が殴っていたところだ」

廉が殴っていたら彼も無傷では済まなかったろうなぁ~なんて思ってしまう。


「あの二人……今頃どうしているかな」
そのコップを一つ彼に渡す。

「久しぶりに会えたんだ、まぁそれなりに」

「おしいことした……って思っているでしょ」

「ちょっと……な」

遠い存在……か。
近くに居すぎると見えないものもあるからなぁ。


「藍~!後で翠ちゃんに連絡しておいてくれ。今回の件は解決しましたってな」

「はいはい」

私と廉の関係。
今はっきりと言えるのは――、


「メシでも食いに行くか」

「うん!もちろん廉のおごりよねっ!」

「……お前なぁ」


大事な『パートナー』ということ。



END
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