ライン
教師
「帰らない」
繰り返した。
先生は黙って、先生であるための言葉を探している。
その僅かな沈黙に、初めに我慢出来なくなったのは私だった。
背の高い先生の首に両腕を回す。
届かないから、
背伸びをして、
顔を引き寄せて、キスをした。
キスは拒まないのに、先生は「駄目だ」と言う。
私は自分のシャツのボタンに手をかけた。
四つ目のボタンまで開けて、先生に手を掴まれた。
「やめなさい」
少し赤い先生の目を睨んだ。
「どうして?」
「したい」って、先生のからだは言ってるじゃない。
「まだ、陽南がこどもだから」