遊女と経営者の恋愛事情
「……やっ……やめ…て…」
龍也さんの腕から逃れようとするけど
動けば動く程腕に力が入り息苦しい程強く抱きしめられる。
私の心拍数がどんどん上昇するのが分かる。
私を落ち着かせる為だって分かってる。
こんな抱きしめられ方は慣れていない筈なのに……どこか心地いい…。
「…もう……大丈夫だから…」
「……結衣が…記憶がなくなったのはな…家族が死んでかららしい」
龍也さんは私を抱きしめたまま小さく話し始める。