遊女と経営者の恋愛事情

今、午後5時。
次々と女の子が待合室を後にする。
私が思っていたよりも遥かに来客数が多いみたい。


まだかな…。
龍也さん…すぐ客を回してやるって言った癖に…。


早く回してよ…。
皆次々と客室へ入って行くのに
私だけ残っているなんて…情けないじゃない…。









「彩ちゃん。15番でお客様がお待ちです」


ん?あの人、明らかに私を見てるよね?
彩(アヤ)ちゃん?
私、店では彩って名前なの?


「は、はい…今行きます」


立ち上がり15と書いているドアを開き
中へと入る。


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