遊女と経営者の恋愛事情

「…失礼します」


中へ入ると顔を上げてお客様を見上げた。
そのお客様は私が想像していた人とは、全然違っていた。


恐らく20代前半ぐらいかな。
私とあまり歳が変わらない様な感じ。


「初めまして。彩と申します」


「新人さんなんだよね。何となく、そんな感じがしたから」


「…は、はい」


「ピンクのドレス、とても似合ってるよ。清楚な感じがとても似合う」


ピンクのドレス…。
龍也さんが選んでくれたドレス…。


って、何考えてるんだろ。
今は、龍也さんは関係ない。


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