遊女と経営者の恋愛事情

「い…やっ………やめっ…」


声にならない声をなんとか出して
必死に抵抗を続ける。


「…きやぁぁっ!!」


その時、鋭い痛みが太股を襲う。
今、太股を噛まれた…?


「やっ、いや……いや…」


目の前が真っ暗で視界を遮られているせいか、恐怖心だけが私を襲う。


誰か……助けて………。


絶望的な中で半ば諦めかけていた時。


「…何やってんだ」


ドアの開く音と共に龍也さんの声が聞こえた。


私……助かったんだ……。


< 157 / 236 >

この作品をシェア

pagetop