遊女と経営者の恋愛事情
「……私…遊女を辞めます」
龍也さんは足を止めて
開きかけたドアノブから手を離して
私の方へと振り返る。
「そうか。わかった。よく決断したな。一樹へは俺から連絡しておく」
「……その必要はないから。私…あの人の所へは行かない」
「……どうするつもりなんだ?」
「…私、一人で頑張ってみる。今までずっと誰かに頼って生きて来たから……」
色んな人に支えられて
今まで生きて来た。
誰かに甘えて来た自分とも
決別しなきゃ…前になんて進めないよ。
驚いた表情をして
私をじっと見つめる龍也さん…。