遊女と経営者の恋愛事情
こんな……何で……。
私を毎日見てくれてたなんて…。
思ってもみなかった…。
私……龍也さんの事…。
本当に何も知らなかったんだ……。
「……っ………ご…ごめんなさいっ…」
溢れる涙を堪える事が出来ずに
信号待ちしていた車のドアを開いて
手帳を握り締めたまま車を飛び出して
屋敷へと向かって全力で走った。
私……こんなままじゃ……。
前に何て進めないよ。
こんなの見せられて…。
黙ってあの人の所へ行くなんて
出来ないよ…。