遊女と経営者の恋愛事情
重苦しい空気の中で
私はさっきの一樹さんの言葉が
頭から離れないながらも
龍也さんへ聞く事が出来ずに居た…。
怖くて…聞けない…。
両親の死は事故だって聞いてたから…。
「…両親の事……聞きたいか?」
そんな私とは裏腹に
言葉をかけてくれたのは龍也さんだった。
この人はいつもそう。
私の考えてる事を見抜いてくれる…。
私は言葉に出来ない分
コクンと頭を動かして一度だけ頷いた。
「…そうか。……わかった。全部…話してやる」
そう言うと龍也さんは煙草の火を消して
私を見つめた。