遊女と経営者の恋愛事情

「…お前が記憶喪失になった事や…両親が死んでから…一樹と同棲してた事……全部一樹から聞いてた」


「……………」


「お前の記憶を取り戻そうとしていた一樹の苦労もな…。でも一樹は耐えられなくなり……お前の母親の親友である女将に…お前を預けたんだ」


言葉が出て来ないよ…。
何て言ったらいいのか…わからない…。


「…俺が…お前の面倒見たかったんだけどな……女将に…断られ続けたんだ………今の俺には…結衣を預けられないってな…」


そんな事も…。
あったんだ…。


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