遊女と経営者の恋愛事情

暫くして女性が戻って来ると
自分でコーヒーを煎れて私の前に座る。


「…あなた…前の宿でNo.1していたんですってね」


「…はい」


「ここでは、今は私がNo.1なのよ。あなたを見ていると前の宿はたいした事なさそうね」


何それ…。
この人は私に喧嘩売ってるの?
思っていても…口に出すかな普通。


「…私は何を言われてもいいですけど……前に居た宿の事は悪く言わないで下さい」


「あら…随分と前の宿が好きなのね」


好きも何も…当たり前だよ。
私がずっとお世話になった家なんだから。


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