遊女と経営者の恋愛事情
孤独な家出
―――コンコン―――
扉をノックしてから部屋へと入る。
男は昨日に引き続いてまたパソコンと向き合っていた。
「…あの…聞きたい事があるんですけど」
「…何だ?」
「私を働かせるつもりがないって………本当ですか?」
「………はぁ」
男はため息を吐くと椅子から立ち上がり
私の方へと歩み寄る。
「……本当なんですか?」
「…ったく。亜美に何を吹き込まれたのか知らねぇけど…そんな訳ないだろーが」
男は私のおでこにビシッとデコピンをした。