死神少女
お化粧室を出ると…。


「よぉ」


待ち伏せされていたみたい。



壁を背にして、茶色の髪の毛を無造作にセットさせ、少し傾げてあたしを見つけている彼に。


「なにかな?ーーーーーーーーーーーーーーーー藤堂くん」



藤堂くんが近づいてきて耳元で囁く。


低く、少しかすれた声で。


「2人でぬけねぇ?」



あたしも彼の耳元に顔を寄せて囁いた。


「いいよ」


あなたが何を企んでいるかは知らないけど、罠ならかかってあげる。


それにあたしも興味があるの。


あなたの頭上に浮かぶ黒い陰に。


「荷物持ってきといたぜ」


ポス!と渡された荷物を見て思わず苦笑いする。
あたしが断るとは思ってなかったみたいね。


「さ、行くか」


彼の言葉に頷いてあたし達は歩き出した。


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