死神少女

「ねぇ、どこ行くの?」


カラオケ屋を出て街を黙々と歩いているだけの彼に声をかける。


横を歩く彼はフッと口元を緩ませ「さぁな、どこだと思う?」と逆に尋ねてきた。


「ラブホとか?」



「くっ…それもいいが、それはまた今度な」


「今度も何も行く気はないけどね」


「そうか?ラブホって最初に言い出したのは愛生だぜ」


くっく…と乾いた笑いをする藤堂くんに顔を背けた。


「いきなり呼びすて?馴れ馴れしいのね」


「俺の事も輝でいいぜ」


「………はいはい」


なんだろ、調子狂うな。

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