死神少女
「覚悟は決まった?」


「何度聞いても答えはNOよ。あ、そこにみかんがあるから食べて?お嬢ちゃんも」


輝はチッと舌打ちをすると慣れた手つきで冷蔵庫をあさり、みかんを2つ取り出した。


ひとつあたしに投げて、目でイスに座るよう合図をする。


あたしは素直に輝の横に腰かけた。


…決心ってどういう事なんだろう…。


「あの、みかんありがとうございます」


「ええ、どういたしまして」


頭の光がまだあたしの心を痛める。

光を見ないようにしてあたしはみかんに手を付け始めた。


てかなんであたしをここに連れて来たのよ。


「あの、輝の親族の方?」

「ちげぇよ。赤の他人」

「せめて知り合いって言って欲しいわね」

おばあさんがフフっと笑みを零す。
輝の態度に慣れている様子だ。


「じゃあ、どういう御関係なんですか……?」


「さぁなー」


輝はそい言うと食べ終えたみかんの皮をゴミ箱に捨て、更にあたしのみかんまでつまんで口に入れた。


「な!」

「あらあら」

死期が近づいているとは思えない穏やかな笑い声を漏らすおばあさんに輝は「また来るけど、さっさと覚悟決めて」と立ち上がった。


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