死神少女
「お前を連れて来た理由は……」
輝はくぃっとあたしの顎を掴んだ。
「ーーーいい。今はまだ止めておこう」
「…っ放して!」
胸を押して輝を放してキッと睨む。
「ここまで連れて来ておいて…理由も喋らないつもり?」
「いずれ分かるさ。それより…覚えておけ。……人を殺る事も重罪だが、人の運命を変える事もまた重罪だと言う事を」
「…分かった。覚えておくわ」
運命を変える事は重罪…?
知ってるよ。
知っててやるの。
もしかして、あなたは今からあたしがやろうとしている事に気づいている?
やっぱり分からない。
あいしれない。
呟いてみた。
「…見えてるよ」
ーあなたの頭上に浮かぶ陰がー
「…は?何?」
「別に」
心のどこかで、
あなたを掴んでみたいと…ほんの少し感じた。