恋花火
高跳びの棒の前に
松村くんが立っていた。

ピーッ!

と笛の音がなり、
松村くんが助走をかけて
空に舞った。

夕日に松村くんの影が
重なり、

ボスッ

と陸上用のマットに倒れ込んだ。

あまりの綺麗さに
見とれていたら、

松村くんがこっち向いて
手を振ってきた。

慌てパラソルの中に隠れた。

しゃがむと中にいた
友達の要に
にやにやほっぺを突かれた。

顔がカァーと熱くなった。
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