えくすぷれすのすたるじあ
さて、とある夜のこと。
酒場の扉が、ギィと開いた。
場内の何人かが、音の方向に反応する。
が。
すぐにいつもの空気に戻った。
なぜなら、特別な客じゃなかったからだ。
「エム!
久しぶりじゃないか!」
一人の若い男が、扉を開けて入ってきた男に声をかける。
「どこにいってたんだい?
黙っていくから心配したんだぞ」
男は、エムと呼ぶ相手に間髪いれず喋りまくる。
エムと呼ばれた男は、黙ってカウンターに腰をかける。
女主人はエムの顔を見るなり、黙ってボトルを差し出す。
どうやら、このエムという男は常連らしい。
鋭い目をしたこのエム、見た感じ戦士らしい。
腰には使い込まれた曲刀が、鈍い光をはなっている。
一方、さっきからエムにまとわりついている男は、エムと比べると小柄で華奢だった。
身なりから察するに、怪しげな呪の使い手か。
その割には、やけに陽気なキャラクターだが。
「……うるせえな」
ふいに、エムが口を開いた。
「先に腹ごしらえさせてくれよ、チムサ。
後で話すから」
わりぃ。
そう小さな声でチムサがつぶやくと、二人は黙って酒を飲みはじめた。
酒場の扉が、ギィと開いた。
場内の何人かが、音の方向に反応する。
が。
すぐにいつもの空気に戻った。
なぜなら、特別な客じゃなかったからだ。
「エム!
久しぶりじゃないか!」
一人の若い男が、扉を開けて入ってきた男に声をかける。
「どこにいってたんだい?
黙っていくから心配したんだぞ」
男は、エムと呼ぶ相手に間髪いれず喋りまくる。
エムと呼ばれた男は、黙ってカウンターに腰をかける。
女主人はエムの顔を見るなり、黙ってボトルを差し出す。
どうやら、このエムという男は常連らしい。
鋭い目をしたこのエム、見た感じ戦士らしい。
腰には使い込まれた曲刀が、鈍い光をはなっている。
一方、さっきからエムにまとわりついている男は、エムと比べると小柄で華奢だった。
身なりから察するに、怪しげな呪の使い手か。
その割には、やけに陽気なキャラクターだが。
「……うるせえな」
ふいに、エムが口を開いた。
「先に腹ごしらえさせてくれよ、チムサ。
後で話すから」
わりぃ。
そう小さな声でチムサがつぶやくと、二人は黙って酒を飲みはじめた。