イチ*コイ



「俺はお前とは付き合わない。
 美華の笑顔は…俺が取り戻す」


 通りすぎて屋上を去る。

 放課後の時間ならきっと…図書室だよな。

 今から会いに行くから。

 俺の気持ち…お前に伝えるから。

 たとえお前が俺と関わろうとしなくても構わない。

 もう抑えられないんだ…。

 美華…好きだ。

 少し早歩きで図書室へ向かう。

 美華と初めて喋ったのも、図書室だった。

 また恋愛小説でも読んでるんだろうか。

 それとも哺乳類?

 1人で考えて笑った。


「っ…大森!」

「っ……、間中?」


 後ろから声を掛けられて仕方なく振り返る。

 そこにいたのはやっぱり美華のダチの間中だった。


「何か用か?俺急いでんだけど」

「…美華のとこに行くつもり?」


 そう言いながら俺を睨む間中。

 だから何だっつーの。

 俺の勝手だろ。

 イライラして、また眉間にシワが寄っていく。


「あんたさぁ…遊びじゃないよね?」

「はあ?」


 何言ってんだコイツ。

 頭大丈夫か?



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