イチ*コイ



「人にしたことは必ず自分に返ってくるって知ってる?
 その痛みは斗真が今までいい加減に女の子と付き合ってたからだよ。
 …今までたくさん、傷付けてきたんだよ」

「…俺、が…」

「わかったんならいいけどね。
 じゃあねー」


 俺を置いてどっかに行く。

 …あのとき泣いてた、乃亜も

 こんなに痛かったのだろうか…?

 ずるずると壁を伝ってしゃがみこむ。

 結局俺は…姉貴がなるなっつった男になってたっつーことかよ…。

 “女には優しく”って言われてたのにな…。

 いつか本気になったとき、必ず後悔するからって。

 確かにその通りだ。

 本気で好きなのに逃げられてる。

 諦めんなって言われて、押し付けんなって言われて

 俺は、ただ――…





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