イチ*コイ



 無言で近付いて、食べ終わったらしい弁当箱を持つ。

 それから、手首を掴んで無理矢理立たせた。


「わっ…あ、あの…?」

「こいつ連れてくから」


 無意識に徳永を睨み付けた。

 どーゆー関係か知らねぇが、こいつは…美華は俺のだ。


「ちょっとちょっと、女の子は手荒に扱うもんじゃないぞ」

「うるせぇ!」

「あ、あの…っ!」


 後ろで喚く美華をそのままに、保健室を出た。

 あんなやつと同じ空間に居たくねぇし。


「ま、待って…離して…っ!」

「黙れ」

「やだ、離して…大森く…っ!」


 大森…?

 俺の、名前は――…

 頭の中で、何かが切れた。

 低い位置にある肩を掴み、桃色の唇に自分のソレを押し付ける。


「…んん……っ」


 いきなりで驚いたのか、口が少し開く。

 その僅かな隙間に舌を忍び込ませた。

 しつこいくらいに歯列をなぞる。

 奥に逃げる舌を引き出して

 柔らかい舌と絡めた。

 やべ、まじ柔らかい…。

 今までの誰よりもイイ…。



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