イチ*コイ
「ここよ」
ユカリさんに連れられて来られたオシャレなカフェ。
小さく響くクラシックと落ち着いた雰囲気がマッチしてる。
ユカリさんは奥の席に腰を下ろした。
「ほら、美華ちゃんも」
「はい…」
あたしはただ歩いて、座った。
何か緊張してきた…。
あたしとユカリさんって、会うの2回目だし…。
「何がいい?
ここのカフェモカは絶品よ」
「あ、そうなんですか…。
けどコーヒー飲めなくて…」
「そうなの?じゃあ…」
「キャラメルマキアート、ありますか?」
カフェに行ったらよく飲むそれ。
あたしのお気に入り。
キャラメルの甘い味と、ほろ苦いのがいいんだよね。
「あるわよ、じゃあ美華ちゃんはキャラメルマキアートで…
私はカフェモカを」
いつのまにか来ていた店員に言う。
それから確認をして、去っていく店員を見つめた。
「斗真と何かあった?」
「え!?な、何で…っ」
「わかるわよ、美華ちゃんわかりやすいから」
…やっぱり、わかりやすいのか…。