イチ*コイ







 ベットに寝転んだまま雑誌を見る。

 廉に言うべき…だよな。

 ベットに寄り掛かって漫画を読む廉を見た。


「廉、」

「んー今いいところー」

「俺、美華に無理ちゅーした」


 ……反応ナシ、かよ。

 はあ、とため息を吐く。


「はああああああああっ!?
 無理ちゅーって、…えええええええええっ」

「うるせっ」


 廉の頭を蹴る。

 小さな呻き声を零して、静かになった。

 …やっぱ、無理ちゅーはまずかったよな…。


「まあ噂で聞いたけどさ」

「なら叫ぶなよっ」


 あ、つい本気で突っ込んじまった。

 そうだよな、噂になるはずだよな…はあ。


「斗真」

「あ?…いってぇ!」


 思いっきり頭をどつかれる。

 油断してた…!!


「何しやがるっ!」

「お前こそ美華ちゃんに何してんだ!!」

「……、」


 本気で怒る廉。

 …久々に、キレてる。

 普段温厚だから、キレたらうぜーんだよな…。

 ぼーっと廉を眺める。


「気持ちは押し付けるものじゃないって言っただろ!?
 どうして斗真はそうなんだよ!?
 美華ちゃんが好きなら、ちゃんと大事にしろよっ!!」


 大事にする…。

 大事にするって、どうすりゃいいんだよ…?



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