イチ*コイ
わたがしって…小学生かよ。
しかもそれってあんま人いらなくね?
「人数いらないから時間短いんだよ。
斗真は買い出し班」
「めんどくせっ」
どーせ美華とは違うんだろーし…。
やる気でねぇなぁ。
ケータイを開いて見ても、何の変化もない。
そういやぁ…俺、美華のアドも番号も知らねぇし。
まあ連絡とる必要もなかったし。
今、何してるんだろうか。
「まあ俺に任せとけって!」
自信満々に笑う廉。
信用できねぇ…。
大抵こいつが張り切ったら悪いことが起こる。
自然体が1番いいんだよな。
「期待しないで待っとくわ」
「期待しろよっ!」
お互いにカチカチとケータイを弄る。
「斗真!」
「うお!…なんだよ」
いきなりドアが開いて姉貴が入ってくる。
廉は姉貴を見て固まっていた。
トラウマあるからな…。
「美華ちゃん逃がすんじゃないよ!」
「は…お、おう」
「よし」
さっさと部屋を出ていく姉貴。
ほっと息を吐く廉を見ながら考える。
……何でいきなり?
1つ1つの偶然が重なる。
それはきっと、必然――…。