イチ*コイ
―押してダメなら
人がひしめく廊下。
今日は文化祭だ。
結局廉の行動がどうなったのかは知らない。
思うのはただ、面倒が降りかからないように、それだけだ。
―ブブブ…ブブブ…
メールか何かが入る。
ケータイを開いて確認すると、メールだった。
20XX/11/14 11:46
From:廉
Sub :No tittle
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交代の時間だぞー
---end---
そのメールを見て、重たい腰を上げた。
さすがに冬になりかけてるだけあって、寒い。
吐く息が白くなる。
あいつなら…こんな状況も、楽しむんだろうか。
屋上から階段を下っていくと、人が多いせいかなんとなく暑い。
教室に着く頃には額に汗をかいていた。
「斗真ー、奥で待機してろよー」
「おー」
教室を半分に割った、もう片方の部屋に行く。
ここで待機してればいいんだろ。
確かもう1人は…吉野だっけ。
うるせぇ元野球部の奴。
暗幕を捲る。
そこにいたのは坊主の吉野じゃなくて…美華、だった。
「あ、浜崎さ……え」